青い夏の、わすれもの。
私の脳裏には朝吹くんの爽やかで甘い笑顔が浮かんだ。

初めて会ったのは2年生のクラス替えの時だった。

なんて爽やかで眩しい人なんだろうっていうのが第一印象。

サッカー部エースで頭脳明晰。

文武両道を背負って生きてるような男の子だなぁと尊敬にも似た感情を持ち、遠くから彼を見ていた。

イメージカラーは空や海の青。

賢く爽やかな彼のイメージにぴったりな青い傘を借りたあの日から、もしかしたら私の運命の歯車は動き出していたのかもしれない。

私が辛い時にはいち早く駆けつけて側にいて話を聞いてくれて...。

これ以上ないくらい王子様という言葉が似合う人だと思う。

私はそんな彼と過ごす中で無意識に惹かれていったんだ。

好きなものも感じ方も思考もどことなく似ている彼に、私は親近感と安心感を覚えた。

私達の間には穏やかな風が吹いていた。


"好き"だと初めて伝えてくれたのも彼だった。

嬉しかった。

ただ...ただ嬉しかった。

こんなにも胸がぽかぽかして満ち足りた気分になったのは、初めてだった。


私に色んな感情を与え、

世界を色づけてくれたのは...

朝吹風くん。

あなたです。


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