青い夏の、わすれもの。
華side
その日は朝から空が不機嫌だった。
私は生徒会長代理の仕事を終え、昇降口にやって来た。
今にも雨が降りだしそうな淀んだ空気とねずみ色の空。
雲が空を覆い尽くし、今にもこちらの世界も飲み込んでしまいそうな恐怖さえ感じさせる。
しかし、飲み込まれずにここにいられるのは、私をここに繋ぎ止める音があるから。
軽やかだけど、凛としていて芯が通っている音...。
1階にいても確かにその音は私の耳に届く。
いや、どこにいたって何をしたって、
きっと私は聞き逃さない。
だってこの音は初恋の音だもの。
私は生徒会長代理の仕事を終え、昇降口にやって来た。
今にも雨が降りだしそうな淀んだ空気とねずみ色の空。
雲が空を覆い尽くし、今にもこちらの世界も飲み込んでしまいそうな恐怖さえ感じさせる。
しかし、飲み込まれずにここにいられるのは、私をここに繋ぎ止める音があるから。
軽やかだけど、凛としていて芯が通っている音...。
1階にいても確かにその音は私の耳に届く。
いや、どこにいたって何をしたって、
きっと私は聞き逃さない。
だってこの音は初恋の音だもの。