青い夏の、わすれもの。
さっき、生徒会室に野球部マネージャーの
永瀬爽さんが来た。
初めて話をしたけれど、彼女はとても面白い人だと思った。
私とは違って自分の思ったままに話す直情型で、裏表がなくて底抜けに明るい。
リーダーシップもあって、回りを見て行動出来る、まさにマネージャー気質な女の子だった。
そんな彼女から、何を思ったのか、こんなことを聞かれた。
「深月さんってどんなタイプが好きですか?
うちの部、そこそこイケメンもいますし、良ければ紹介しますよ。
あ、でも、深月さんの感じだとサッカー部とか...」
どんなタイプが好きか。
そんなの考えたこともなかった。
だって、私はつい最近恋に落ちたばかりで、それが17年の人生で初めてのことだったんだもの。
一目惚れってやつなの。
だから、好きになった人が好きなタイプなの。
そう言ってもぽかんとされちゃうだろうから、私は彼を思い浮かべながら言葉を繕った。
「私は音楽をやってる人が好きなんです」
「えっ?」
意外な返答だと思ったのか、永瀬さんはぽかんと口を開けてしまった。
けど、私はそんな彼女を見ても動じることなく、自分の思いを吐露した。
「野球部の応援にも行ってる吹奏楽部が羨ましかったんです。この前の高体連の時の演奏どうでした?」
観に行くことが出来なかったから私はずっと気になっていたのだ。
「あ、えっと...カッコ良かったです」
やっぱりね。
「ですよね?特にトランペットが。私あのどんなものも貫くような真っ直ぐな音が好きなんです。実は今度のコンクールも生徒会代表で見に行けることになって楽しみにしてるんです」
「そ、そそうですか」
観に行きたかったなぁ。
グランドに鳴り響くあの音を想像するだけでにやけて来る。
あぁ、こんなにも私...
彼のことを思ってるんだなぁ。
そう実感して、胸の底の底から温泉のような心地良い温度が巡ってぽかぽかと温かな気持ちに満たされた。
永瀬爽さんが来た。
初めて話をしたけれど、彼女はとても面白い人だと思った。
私とは違って自分の思ったままに話す直情型で、裏表がなくて底抜けに明るい。
リーダーシップもあって、回りを見て行動出来る、まさにマネージャー気質な女の子だった。
そんな彼女から、何を思ったのか、こんなことを聞かれた。
「深月さんってどんなタイプが好きですか?
うちの部、そこそこイケメンもいますし、良ければ紹介しますよ。
あ、でも、深月さんの感じだとサッカー部とか...」
どんなタイプが好きか。
そんなの考えたこともなかった。
だって、私はつい最近恋に落ちたばかりで、それが17年の人生で初めてのことだったんだもの。
一目惚れってやつなの。
だから、好きになった人が好きなタイプなの。
そう言ってもぽかんとされちゃうだろうから、私は彼を思い浮かべながら言葉を繕った。
「私は音楽をやってる人が好きなんです」
「えっ?」
意外な返答だと思ったのか、永瀬さんはぽかんと口を開けてしまった。
けど、私はそんな彼女を見ても動じることなく、自分の思いを吐露した。
「野球部の応援にも行ってる吹奏楽部が羨ましかったんです。この前の高体連の時の演奏どうでした?」
観に行くことが出来なかったから私はずっと気になっていたのだ。
「あ、えっと...カッコ良かったです」
やっぱりね。
「ですよね?特にトランペットが。私あのどんなものも貫くような真っ直ぐな音が好きなんです。実は今度のコンクールも生徒会代表で見に行けることになって楽しみにしてるんです」
「そ、そそうですか」
観に行きたかったなぁ。
グランドに鳴り響くあの音を想像するだけでにやけて来る。
あぁ、こんなにも私...
彼のことを思ってるんだなぁ。
そう実感して、胸の底の底から温泉のような心地良い温度が巡ってぽかぽかと温かな気持ちに満たされた。