青い夏の、わすれもの。
なんて思っていると、急ブレーキがかかった。

バスはもう視界の隅に入ってきていた。

なのに、どうして?

わたしが飲み込んだ疑問符は、口にせずとも、彼は理解していた。


「答え合わせ、してなかったと思って」

「えっ?あ、さっきのか」


わたしが引きずって次に行けなくなると困る人がいるとかんとか言ってた、あれ。

困る人って誰?

爽?

魁くん?

風くんは違うし、なら深月さん?

でも、皆違う気がする。

あと他に誰かいたっけ?

わたしが迷惑かけてる人...。

誰?


皆目検討もつかず、頭を捻らせていると、じれったくなったのか、さつまくんは口を切った。


「その答え、どう証明してもオレになるから」

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