青い夏の、わすれもの。
わたしはあんぐりと口を開けてしまった。

さつまくん...?

確かに迷惑はかけてるかもしれないけど、わたしの気持ちとか関係ないよね?

わたしが誰を想おうと、

誰に未練があろうと、

さつまくんには何ら関係ないんじゃ...。


そう言おうとすると、さつまくんの左手がわたしを強引に引っ張った。

わたしとさつまくんの距離が一気に縮まり、定規1枚分くらいしかないように見える。

この体勢から顔を上げたら、さつまくんの顎にわたしの頭を強打させてお互いにダメージを受けそうだからそれは出来なくて、わたしはひたすらに俯いた。

自分の置かれている状況が全く見えない。


どういうこと?

どうしたらいい?

わたし...どうすべき?


疑問符が錯綜し、おもちゃ箱をひっくり返した時のように頭がぐちゃぐちゃになっていた。

それなのに、さつまくんは畳み掛けてくる。


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