青い夏の、わすれもの。
その日はカンカンと太陽が照りつけ、その年の最高気温を更新した日だった。
野球部マネージャーだったあたしは、大会が終わり、その日のヒットやエラーの数などを記録したノートを監督にチェックしてもらっていた。
「今日も良く書けてる」
「当たり前ですよ。もう2年半もやってるんですから」
そう言って笑い飛ばそうとしたけれど、胃の奥の奥の方から悔しさが滲み出てきて喉まで競り上がり、嗚咽しそうになった。
あたしは奥歯をぎいっと噛んで堪えた。
「よし、オッケー。...永瀬、今日までありがとな。お疲れ様」
思いがけない監督の優しい言葉にピンと張った結界が壊れそうだったけど、ここで泣いてはいけないと必死に耐えた。
だって、ここまで来られたんだもん。
来られただけでも奇跡なんだから、
皆頑張ってくれたんだから、
泣いたら...ダメ。
ダメ、なんだ。
野球部マネージャーだったあたしは、大会が終わり、その日のヒットやエラーの数などを記録したノートを監督にチェックしてもらっていた。
「今日も良く書けてる」
「当たり前ですよ。もう2年半もやってるんですから」
そう言って笑い飛ばそうとしたけれど、胃の奥の奥の方から悔しさが滲み出てきて喉まで競り上がり、嗚咽しそうになった。
あたしは奥歯をぎいっと噛んで堪えた。
「よし、オッケー。...永瀬、今日までありがとな。お疲れ様」
思いがけない監督の優しい言葉にピンと張った結界が壊れそうだったけど、ここで泣いてはいけないと必死に耐えた。
だって、ここまで来られたんだもん。
来られただけでも奇跡なんだから、
皆頑張ってくれたんだから、
泣いたら...ダメ。
ダメ、なんだ。