青い夏の、わすれもの。
「あの、じゃあそろそろ...」

「だね。行こっか」


あたしたちは夏休み中の過ごし方や互いの進路なんかを話しながらショップを回った。

正直に言うと、深月さんとこんなに仲良くなれるなんて思っていなかった。

なんなら苦手スタートだったし。

澪の公式ライバルだったわけだし、あたしが敵視する要素が揃いに揃っていた。

でも、こうして今一緒にいられるのは、澪が決断をしてくれたから。

魁にきちんと断ると言ってくれたし、

潔く敗けを認めて深月さんと風くんの幸せを願い、身を引いてくれた。

澪の判断は正しかったと思う。

だから、最後の最後で間違わないでほしい。

それだけは要注意。

あたしは、澪の隣が似合う人、もう見つけてる。

その人の存在の大きさ、大切さに澪が気付けばきっと丸く収まる。

そしたら、澪もハッピーエンドだ。

で、自分は...?

あたしは...どうなるんだろう?

< 304 / 370 >

この作品をシェア

pagetop