青い夏の、わすれもの。
2時間に渡る闘いが終わると、あたしたちは某有名コーヒーチェーン店に場所を移してフラペチーノを飲んだ。

渇ききった喉には最高と言いたいところだったんだけど、生クリームや糖分でさらに口の水分が奪われ、あたしはセルフの水を何度もお代わりして胃がたぷたぷになるまで飲むことになってしまった。

それを見て深月さんはクスクスと笑っていた。


「本当に永瀬さんは面白い方ですね。親しくなれて良かったです」


そう深月さんから言われちゃったら、なんだか涙腺がぷるぷると緩んだ。

まぁ、何があっても泣きはしないけど。


「永瀬さんの魅力を分かってくれる方は絶対いると思います。ですから、永瀬さんも諦めないで下さい」

「えっと...それはどういう?」


深月さんの意味深発言にあたしは即座に食らいついた。


「いや、なんだか永瀬さん悩んでらっしゃるようなので、もしや冴島くんにフラれてしまったのかと...って、私...!
あっ、す、すみません、失礼なこと言いました。本当にすみませんっ!」

「い、いや、まあ失礼といえば失礼だけど、当たってるところもあるから、怒りはしないよ」


< 306 / 370 >

この作品をシェア

pagetop