青い夏の、わすれもの。
私が律くんの演奏を初めて見たのは、1年生の時のオープンスクールの時。
私はその時新入生代表で受験生に向けて話をすることになっていて、たまたまその場に居合わせていた。
ほとんどの1年生が壇上に上がれず、譜面台や打楽器の運搬をしている中、彼は上級生に混じり、颯爽と現れた。
なんなら、上級生よりも目立っていて圧倒的存在感を醸し出していた。
私は演奏が始まる前から彼に釘付けだった。
凛々しい顔立ちなのに、どこか女性的な雰囲気も漂わせる魅惑的な表情に心臓がバクバクしていた。
これが一目惚れってやつなのかも、と気づいたのは帰り道だった。
とにかくその時は思考が停止していて彼しか目に入らなかった。
指揮者の3年生の生徒が中央に歩いてきて、お辞儀をする。
その奥でトランペットを構えた彼は言葉では表しきれないほどカッコ良かった。
そして、指揮者がタクトを振り下ろして演奏が始まると、彼の表情はメロディと共に多種多様に移り変わった。
パーンと弾けるような音楽を奏でる時の騎士のような鋭く勇ましい表情、
木管楽器が穏やかな音色を奏でている時、後ろから父親のように優しく見守るような表情...。
変幻自在に移り変わるその表情と音色に私の心は盗まれた。
曲が終わっても、脳で余韻が疼き、微熱を生む。
熱中症なのかと疑ってしまったほど、私の全身は熱っぽく、頭はぼーっとしていたが、彼の表情だけははっきりと脳裏に焼き付いた。
あの日から彼は、
大楽律くんは...
私の初恋の人。
私はその時新入生代表で受験生に向けて話をすることになっていて、たまたまその場に居合わせていた。
ほとんどの1年生が壇上に上がれず、譜面台や打楽器の運搬をしている中、彼は上級生に混じり、颯爽と現れた。
なんなら、上級生よりも目立っていて圧倒的存在感を醸し出していた。
私は演奏が始まる前から彼に釘付けだった。
凛々しい顔立ちなのに、どこか女性的な雰囲気も漂わせる魅惑的な表情に心臓がバクバクしていた。
これが一目惚れってやつなのかも、と気づいたのは帰り道だった。
とにかくその時は思考が停止していて彼しか目に入らなかった。
指揮者の3年生の生徒が中央に歩いてきて、お辞儀をする。
その奥でトランペットを構えた彼は言葉では表しきれないほどカッコ良かった。
そして、指揮者がタクトを振り下ろして演奏が始まると、彼の表情はメロディと共に多種多様に移り変わった。
パーンと弾けるような音楽を奏でる時の騎士のような鋭く勇ましい表情、
木管楽器が穏やかな音色を奏でている時、後ろから父親のように優しく見守るような表情...。
変幻自在に移り変わるその表情と音色に私の心は盗まれた。
曲が終わっても、脳で余韻が疼き、微熱を生む。
熱中症なのかと疑ってしまったほど、私の全身は熱っぽく、頭はぼーっとしていたが、彼の表情だけははっきりと脳裏に焼き付いた。
あの日から彼は、
大楽律くんは...
私の初恋の人。