青い夏の、わすれもの。
「じゃ、そういうことで。今日はありがと。んじゃあ、また月曜な」

「うん...お疲れ様」


魁の足音が遠ざかる。

澪はきっと状況を飲み込めずにぼーっと突っ立ってるんだろう。

で、あたしは

密かに泣いてる。

この涙出し切るまで帰らない。

いや、ほんとは、帰れない、なんだけど。

湧いてくるなら、湧いてくるだけ流してやる。

花にとっては恵みの雨だ。


あたしはなんとか理由をつけて自分を納得させた。

澪が去ってからも溢れる涙を拒むことなく頬に伝え続けた。

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