愛される何でも屋と両想いになれる確率
ふつふつと怒りが湧き上がってくる。俺は一回も触ったことがないのに!ハグすらしたことがないのに!

怒りを顔に出さないように必死になっていると、ビオラさんが「名前の意味を教えます」と男の手を掴んだ。

「私のこのジベットと言う名前は、処刑方法の一つです。罪人を狭い籠の中に入れ、死ぬまで放置する。残酷ですが、処刑方法の中では一番優しい殺し方なんですよ……」

男の顔が真っ青になっていく。それと同時に掴まれた男の手がミシミシと嫌な音を立てた。

「だから、あなたのことも優しく扱って差し上げますね」

そうビオラさんが微笑んで言った刹那、男の体がガクリと倒れる。一瞬のことで乗客は見えなかったようだが、ビオラさんが男の鳩尾を思い切り殴ったのだ。

「インターポールだ!お前を拘束する!」

俺は立ち上がり、意識を失って伸びている男に手錠をかけて拘束する。男を無事に拘束した後、俺はビオラさんを見つめた。

「ありがとうございます!被害が出る前に捕まえられてよかった……」
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