秘密に恋して~国民的スターから求愛されています~
「これで、お前は俺の言いなり。OK?」
「何言って…」
「お前のために体張ったんだからこのくらいいいだろ」

私はパニックになって彼の携帯電話を奪い取ろうとする。しかし、腕の怪我のせいでうまく動けずバランスを崩しベッドの上から落ちてしまいそうになる。
不覚にもそれをマサトさんに支えられてしまう。すぐに体をもとの位置へ戻して彼を睨む。


「なんで…何が望みなの、」
「まだわかんねーの?俺は拓海が嫌いなの。芸能界なんていつ辞めてもいいとかふざけたこと抜かして、そのくせどんどん主演作品を増やす。ああいうの嫌いなんだよ」
「…そんなの、あなたには…っ」
「早く辞めてほしいんだよ。アイツが辞めるとするなら、どうせお前絡みだと思ってさ。ストーカー事件が起こるとは想定外だったけど、それでも辞めないならこれ、使わせてもらうよ」
「お願い、消して」

嫌だ、そう言って自分の携帯の画面を見ながらにやつく。

「とにかく、これSNSでばら撒かれたくなければいうこと聞けよ」

「…」

「どうなるかわかるだろ。こんなのが表に出たらお前の情報すぐに特定されて、拓海の女だってことも晒されるだろうな。そうしたらアイツのイメージダウンにもなるし、お前自身もそうなる。ちなみに俺は元々そういうイメージでやってるから大丈夫なの。あ、それとも俺の女ってことで載せようかな」

「ひどい!なんでそんなこと…」

「さっさと辞めないからだろ。まぁでも、今回の件で引退するかもなぁ。そうなったら消してやるよ。あと、事務所は拓海を手放したくないらしいからお前が邪魔みたいだよ」

「え」
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