秘密に恋して~国民的スターから求愛されています~
追い打ちをかけるようにつづけるマサトさんに頭痛がしてクラクラと眩暈も襲ってきた。
須永さんは交際を認めているような発言をしていたのに、違うの?
「拓海にお前と別れろ、なんて言ったらすぐに芸能界引退するだろうから言えないんだとさ。だから自然に別れてほしいようだよ。どんどん仕事入れてるのもそのせいだろうな。俺的にはさっさと辞めてほしいから困るんだけど」
「…そんな」
「ま、そういうこと。じゃ、あとで連絡するからちゃんと電話も出ろよ」
そう言ってマサトさんは踵を返して病室を出て言った。
しばらく彼の去ったドアを呆然と見つめる。
須永さんは、私たちの味方ではない。事務所の利益を一番に考えている、前にそう言っていた。よく考えたら、私は彼の邪魔でしかないことは明白で、須永さんが“事務所の利益”を一番に考えたら私たちとの交際を認めるはずがない。
でも、それを彼に伝えたらきっと拓海はすぐにでも芸能界を辞めるだろう。
だから自然消滅、いや、私から拓海を振ることを望んでいる。
もしかしたらアンナさんとの記事も裏で拓海の事務所が絡んでいるのかもしれない。
絶望して、全身の力が抜ける。
須永さんは交際を認めているような発言をしていたのに、違うの?
「拓海にお前と別れろ、なんて言ったらすぐに芸能界引退するだろうから言えないんだとさ。だから自然に別れてほしいようだよ。どんどん仕事入れてるのもそのせいだろうな。俺的にはさっさと辞めてほしいから困るんだけど」
「…そんな」
「ま、そういうこと。じゃ、あとで連絡するからちゃんと電話も出ろよ」
そう言ってマサトさんは踵を返して病室を出て言った。
しばらく彼の去ったドアを呆然と見つめる。
須永さんは、私たちの味方ではない。事務所の利益を一番に考えている、前にそう言っていた。よく考えたら、私は彼の邪魔でしかないことは明白で、須永さんが“事務所の利益”を一番に考えたら私たちとの交際を認めるはずがない。
でも、それを彼に伝えたらきっと拓海はすぐにでも芸能界を辞めるだろう。
だから自然消滅、いや、私から拓海を振ることを望んでいる。
もしかしたらアンナさんとの記事も裏で拓海の事務所が絡んでいるのかもしれない。
絶望して、全身の力が抜ける。