秘密に恋して~国民的スターから求愛されています~
「…色気?何言ってんの。それはこっちのセリフ」
「何が?」
「だからさぁ…」

そういって、私の腰に手を回してぐっと引き寄せる。
密着する体に慌てふためく私など関係ないとでもいうように見下ろす彼と目が合う。

「それ逆。沙月の方が色っぽいよ。ナンパ、されないように見張っておかないと」
「されないよ…」
「そもそも疑問だけど下着と水着って覆ってる部分同じじゃん。そう思うと他の男に沙月の水着姿見られるの嫌かも」

体温が上昇しているように感じるのは暑さだけが理由じゃなさそうだ。

ふいっと顔を逸らして拓海から離れると彼に手招きをしていこう、と声をかける。

眩しい光が注ぐ海に足を入れると冷たくて気持ちがよかった。

久しぶりに拓海とたくさんの人がいる中を堂々と遊ぶ。


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