秘密に恋して～国民的スターから求愛されています～

最初こそ緊張して辺りを窺っていた沙月だけどそのうち

「あ！これ可愛い！」

と言って、服を見たり雑貨を見て楽しんでいるようだ。

「んー、どうかなぁ」
「いいじゃん。着てみたら？」
「そうする」

とあるブランドの前で立ち止まりマネキンの着ているワンピースが気に入ったようで立ち止まり、悩んでいるようだったから試着するよう勧めた。

沙月が着替え室で試着をしている間、その近くで彼女を待っていると

「…え、ちょっとあれ、拓海じゃない？」
「嘘…本当？」

背後から何やら話し声がして後ろを振り返ると若い女性二人組が俺を見て何かを話していた。

気づかれただろうか、そう思った時試着室のカーテンが開いた。

「拓海、どうかな？」

「やっぱり拓海じゃん」

アイボリーのワンピースは彼女にぴったりでよく似合っていたが、

「すごく似合ってる。でもちょっとバレたかも」
「え？！」

沙月に近づき、そう耳打ちすると彼女の顔色が曇る。
俺の背後を見ると「ごめん、すぐ着替える！」と言ってカーテンを閉める。