秘密に恋して~国民的スターから求愛されています~
どのくらい経過したのかわからないが、窓から朝陽が漏れているのを横目で確認した。

お互いに舌を絡め合いベッドのきしむ音と、シーツが体と擦れる音、そして唾液が混じり合う音が響く。

「沙月、」

もう彼の声に応えることもできないまま、虚ろな目を彼に向ける。
彼は私を愛おしそうに見下ろしながら唾液で光る唇を親指でなぞり、拓海の親指を微かに開く唇から舌をだして舐めると

「エロいなぁ、いつもはそんな顔しないくせに」

そう言って満足そうに笑みを浮かべると私の唇を貪るようにキスをした。

溺れるように拓海に抱かれて、意識を手放す。




♢♢♢

翌朝、目覚めると拓海の姿はもうすでになかった。
朝から仕事があったから、仕方がないけど隣に彼がいないと寂しい。

もぞもぞと体を動かすと、全身の筋肉痛に思わず苦笑した。
上半身を起こすと時刻は10時過ぎで、今朝までセックスをしていたはずだから拓海はほとんど寝ていないのではないか、と思った。


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