秘密に恋して~国民的スターから求愛されています~
♢♢♢

今日は、午後から拓海の元カノに会う予定だ。
どういう格好をしていけばいいのかなと悩むが普段のカジュアルな服装にした。
拓海はいたって普通で、緊張しているのは私だけだと思った。

「…大学時代に付き合ってた人、なんだよね?」
「付き合ってないよ。でも、そういう関係だったのはそうだね」

大学時代を思い返すと、私は後半には彼氏ができたし、拓海も彼女がいると思っていた。だから、あまり会わないように(部屋に入れたりしないように)していた。

でも、彼女ではなかったんだ。

「だって、俺ずっと沙月のこと好きだったから」
「っ」
「本当だよ」

急に背後から抱きしめられて眩暈がしそうなほど甘い声で囁かれる。
全身に血液が巡っていくのを感じながら、私の体を抱きしめる彼の腕に触れる。


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