恋の駆け引きはいつだって刺激的【完結】
―注意
「どういう…」
「もしかしたら契約結婚だということ、気づいている可能性がある」
「え?!」
「その証拠が欲しいのかも」
私ははっとして千秋さんを見上げる。
私が奥さんらしい発言をしなかったせいでは…あの時、初めて雪乃さんに会った際にちゃんとした対応をしなかった。あれで違和感を持ったんじゃ…。
千秋さんが「どうしたの?」と私に問う。
私はそのまま思ったことを話した。私のせいで雪乃さんが私たちの結婚を疑っているかもしれないと。
すると千秋さんは首を横に振って
「大丈夫だよ、バレることはないと思うし」
「…」
「君が心配することじゃない」
「…はい」
私を不安にさせないように頭をそっと撫でた。
この手を握りたいと思う、思うのに…。
あの光景が邪魔をするのならば聞けばいいじゃない。
私はすっと息を吸って肺に入れるとゆっくりそれを吐き出した。
「あの!単刀直入にお聞きします」
「うん、どうしたの」
「雪乃さんと昨日セックスしましたか」
千秋さんはえ?と声を漏らしてそのあと大きく目を見開いた。
その顔は肯定と受け取っていいのだろうか、それとも真逆?