恋の駆け引きはいつだって刺激的【完結】
♢♢♢
「それはねぇ、恋だよねぇ、うん」
「や、や、やっぱり?!」
「うん。恋だよ…恋!よかったね!本当にうれしい!」
数日後、私は葉月の家にお邪魔していた。
私専用の猫のイラストが描かれたマグカップに注がれたコーヒーを飲みながら目を輝かせて頷いた。
「そうだよね?!やっぱりそうだったんだ!なんか変だなって思ってたんだよ。どんどんめんどくさい女になってるの、私」
「そんなことないよ。でも、本当によかったねぇ」
うふふ、と上品に笑って嬉しそうに目尻を下げる葉月。
今日は久しぶりというほどでもないけれど結婚して初めて葉月と会った。
本当はもっと早くに会いたかった。
そして、今、私の中にあったある”疑惑”を葉月の家にきてようやく解消することが出来た。
雪乃さんが家に来ていたのを目撃してからずっと自分の調子がおかしいことはわかっていた。あんな気持ちになるなんて、私は千秋さんのことが好きなのでは?と思っていたから。