恋の駆け引きはいつだって刺激的【完結】
信号が青に変わって私は手を振りながら夏希君に近づいた。
仕事なのかスーツ姿の彼も笑顔を見せながら私に向かってくる。
ちょうど交差点の真ん中まで歩いて

「久しぶりだね」
「うん、久しぶり。こんなところで会うなんて」

と、軽く会話をして夏希君がどこかで話したいっていうから近くの喫茶店に入ることになった。

少しくらいなら夕飯の準備もあるがいいかなと思って近くのビルに入っている喫茶店に入る。
夏希君にここはよく利用するのか聞いたら、たまに来るよと言っていた。

落ち着いた雰囲気の喫茶店で、どちらかというの年齢層高めのお客さんが多いイメージだった。

店内の奥の席のテーブルへ案内されて私たちは向かい合うようにして座った。

店員さんがメニュー表とお水を持ってきてくれた。

「で、なんでデートしないことにしたんだよ」

ワイシャツのボタンを一つ開けてそう訊ねる。
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