恋の駆け引きはいつだって刺激的【完結】
メニュー表を捲りながら私はチラチラ彼に視線を合わせる。
なんでって…最初からしっかりと説明した方がいいのだろうか。
でもそうなると、千秋さんのことを好きになったことも伝えるべきだよね。

急に緊張してきて、私はセーターの袖を手でもじもじと触る。

と、先に店員さんが来たのでそれぞれ飲み物を頼んだ。

「あ、私ホットココアで」
「じゃあ俺はコーヒーでいいや」

店員さんがメニューを下げて私はそれを目でボーっと追った。

「で?さっきの質問答えてよ」
「…うーん、あのね。千秋さんに俺のこと好きになってほしいって言われて」
「…うん。随分はっきりというんだな」
「その努力義務が発生したので、」
「でもそれでいいの?桜子は」

私は、うんと頷いた。

「だって、千秋さんのこと好きになったから…」
「は?」

夏希君が驚いたように固まった。

「ごめん、その…夏希君の気持ちは嬉しいけど、私…」
「ふぅん」

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