恋の駆け引きはいつだって刺激的【完結】
夏希君のせいでデートすることになってしまった。

「夏希君って変わったよね、そんなに意地悪な子じゃなかったもん」
「そう?俺は変わってないけど」
「変わったよ…」

肩を落とす私を見てクスクス笑う彼を睨む。そんな私を”可愛い”という。

「でも、これで俺のこと考える時間増えたな」
「…どういうこと?」

眉根を寄せて訝しげに彼に視線を合わせる。

と。

「ひゃ、」

急にまた顔を近づけてきたから手で口を覆った。
でも、彼は口ではなく耳元へ彼の唇を近づける。

「キスの罪悪感で俺のことずっと考えることになると思うよ」
「…」

すぐに顔は離されたけれど、至近距離で囁くようにして言われたその言葉に私の心臓はすでに破裂寸前だ。

「じゃ、デート楽しみにしてる」

そう言って余裕そうな笑みを向けたまま私に背を向け去っていった。



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