恋の駆け引きはいつだって刺激的【完結】
「隠すことでもねーじゃん、俺は兄貴のために教えてやってるんだから」
「違うの!別にイケメンとかじゃなくて」
「なんだよ。あれをイケメンと言わずしてなんていうんだよ。そもそもあそこは元々落ち着いた喫茶店だから年齢層は比較的上なのに休日は若い女性ばっかじゃん。学生も来るらしいし。店主目当てだろ」
「…」
千秋さんの顔を見ることはできない。
出来ないけど、無言の彼は絶対に怒っていると思う。
夏希君、君はいったいどの立ち位置なんだ。
「やっぱり…ちゃんと”確かめに”行かないとね」
「…はい」
「そっか、そっか。イケメンの若い店主かぁ。夏希、ありがとう」
「いえいえ、どーいたしまして」
食べ終わり、千秋さんが少し席を外した。
夏希君がその後ろ姿を見ながらぽつり、独り言を話すように言った。
「まだ諦めてはないけど、兄貴なら仕方がないなって思うんだよ」
「…夏希君?」
頬杖を突きながら目線だけ私に向ける。キリっとした瞳がいつも以上に真剣だった。
「俺、兄貴のことこの世で一番尊敬してるから」
「…」
「あーあ、好きな子被るって最悪。まぁ、とりあえず一旦諦めるよ」
「う、うん…」
「兄貴に敵わないのは仕方がないとしても、あの喫茶店の店主に取られちゃやってらんねーよな」
と、同時に千秋さんが戻ってきた。
すると夏希君も立ち上がって帰る支度をする。私もそれに合わせて立ち上がった。
「違うの!別にイケメンとかじゃなくて」
「なんだよ。あれをイケメンと言わずしてなんていうんだよ。そもそもあそこは元々落ち着いた喫茶店だから年齢層は比較的上なのに休日は若い女性ばっかじゃん。学生も来るらしいし。店主目当てだろ」
「…」
千秋さんの顔を見ることはできない。
出来ないけど、無言の彼は絶対に怒っていると思う。
夏希君、君はいったいどの立ち位置なんだ。
「やっぱり…ちゃんと”確かめに”行かないとね」
「…はい」
「そっか、そっか。イケメンの若い店主かぁ。夏希、ありがとう」
「いえいえ、どーいたしまして」
食べ終わり、千秋さんが少し席を外した。
夏希君がその後ろ姿を見ながらぽつり、独り言を話すように言った。
「まだ諦めてはないけど、兄貴なら仕方がないなって思うんだよ」
「…夏希君?」
頬杖を突きながら目線だけ私に向ける。キリっとした瞳がいつも以上に真剣だった。
「俺、兄貴のことこの世で一番尊敬してるから」
「…」
「あーあ、好きな子被るって最悪。まぁ、とりあえず一旦諦めるよ」
「う、うん…」
「兄貴に敵わないのは仕方がないとしても、あの喫茶店の店主に取られちゃやってらんねーよな」
と、同時に千秋さんが戻ってきた。
すると夏希君も立ち上がって帰る支度をする。私もそれに合わせて立ち上がった。