恋の駆け引きはいつだって刺激的【完結】
「どうぞ、レギュラーコーヒーです。桜子ちゃんの分はサービスね。今日はありがとう、助かったよ」
「ありがとうございます!」
「次の出勤は明日かな?よろしくね」
そう言ってカウンターへ戻る倉田さんの背中を目で追いながら
「二回目はないけど」
とぼそっと千秋さんが呟いたのを聞き逃さない。
辞めさせる気満々じゃない!これは絶対に阻止しなければならない。
コーヒーカップに手をかけて、湯気の立つそれを口に含む千秋さんは口角を上げて「美味しいコーヒーだね」といった。
私はそうですよね、と言って同様にコーヒーを飲む。
酸味と苦みのバランスがちょうどいい。もちろん苦みが強めのコーヒーが好きなら他のメニューもある。でも、私はこのレギュラーコーヒーが飲みやすくて好きだ。
「あの、すごく働きやすくて」
「うん、そうだろうね」
「これからも続けたいなって」
「うん、ダメだね」
「…え?」
「そもそもさぁ、桜子ちゃんって何?なんであんなに馴れ馴れしいのかな、君の店長は」
「…それは、私だけじゃなく、皆にフレンドリーなので…別に他意はないかと…」
「ふぅん」
千秋さんの視線が痛いが、本当のことなのだ。
倉田さんは別に私を狙っているわけでもないし、もともとチャラい人なのだと思う。
「ありがとうございます!」
「次の出勤は明日かな?よろしくね」
そう言ってカウンターへ戻る倉田さんの背中を目で追いながら
「二回目はないけど」
とぼそっと千秋さんが呟いたのを聞き逃さない。
辞めさせる気満々じゃない!これは絶対に阻止しなければならない。
コーヒーカップに手をかけて、湯気の立つそれを口に含む千秋さんは口角を上げて「美味しいコーヒーだね」といった。
私はそうですよね、と言って同様にコーヒーを飲む。
酸味と苦みのバランスがちょうどいい。もちろん苦みが強めのコーヒーが好きなら他のメニューもある。でも、私はこのレギュラーコーヒーが飲みやすくて好きだ。
「あの、すごく働きやすくて」
「うん、そうだろうね」
「これからも続けたいなって」
「うん、ダメだね」
「…え?」
「そもそもさぁ、桜子ちゃんって何?なんであんなに馴れ馴れしいのかな、君の店長は」
「…それは、私だけじゃなく、皆にフレンドリーなので…別に他意はないかと…」
「ふぅん」
千秋さんの視線が痛いが、本当のことなのだ。
倉田さんは別に私を狙っているわけでもないし、もともとチャラい人なのだと思う。