恋の駆け引きはいつだって刺激的【完結】
要するに、彼は奥さん役の相手を探すために高級クラブに出入りしていたということだ。
なんていう規格外の価値観だろう。

「ぶっ飛んでますね、お考えが」
「そう?君のほうがぶっ飛んでるように見えるけど」
「…」
「あぁ、そうだ。別に結婚したからって恋愛がダメじゃないよ」
「え?」
「俺以外の人としてもいいし」
「す、するって…」
「セックス」
「…」
「俺だってそうするし。そういうことには詮索しないという契約で」
「…」

なんていい条件だろう。好きじゃなくてもいい、いやむしろ好きじゃない方がお互い好都合だ。

か、神様なんかいないって思っていたのに…いた!
小さくガッツポーズをして

「お受けいたします!!!」

そう元気よく返事をした。
にっこり頷いて、

「わかってたけどね」

そう言った。
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