恋の駆け引きはいつだって刺激的【完結】

「体調悪いときは、夕飯の準備は必要ないからね。早く帰れたら俺が作るし、ダメならなんか頼めばいいから」
「はい、ありがとうございます」
「当然だよ、夫婦は助け合うものでしょ？」

そう言ってくれる千秋さんが優しすぎて涙が出そうだ。
…倉田さんのこと以外は優しい。

”夫婦”は助け合うもの、それはそうだと思うけど…私たちは契約結婚だ。
普通の夫婦と同じではない。


夕食を終え、お風呂にも入り、千秋さんが本を読みながらワインを飲んでいる。その邪魔をしないように先に寝室でゴロゴロしていた。

しながら考えていた。

どうやって彼に訊こうか、と。
好きですよね？なんて単刀直入に聞いていいものだろうか。いっそ、自然に言ってくれるような状況を作るのはどうだろう。
好きです！と言って、俺もだよ、と返してくれる…はずだ。
でも、と、私は首をひねる。

千秋さんのことが好きだと告白したとき、彼は何て言っただろう…確かもう一回と、何度も好きと言うことを強要してきた。それなのに千秋さんは返してくれてないじゃない！