恋の駆け引きはいつだって刺激的【完結】
事前に用意してあった契約書にサインをして、婚姻届けにもサインをした。

「千秋、さんというのですね」
「そうだよ。桜子さん、んー桜子でいい?」
「あ、はい」

と、10分程度で記入を終えると私はあることに気が付いた。

「ん、え?…あ!」

そうだ、条件は最高だけれど、一緒に住むということだよね。契約書にもそう書いてあった。でも…体の関係はどうなのだろうか。
私はどうしてもそういうことが出来ない。
出来ないから、できれば朝宮さんには外ですべて片づけてきてほしい。

契約書を隅々まで目を通すがその点は特に言及がない。

「あの、」
「ん?」
「その…せ、せ、」
「ん?」
「セックスって!するのでしょうか?」
「え?」

クスクス笑いだす彼に顔が真っ赤になる。
なんだ、もう…。馬鹿にして。
ムッとしながら睨むようにして朝宮さんを見る。

「そりゃ、夫婦だし」
「…」

困ったなぁ、どうしよう。


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