恋の駆け引きはいつだって刺激的【完結】
side 千秋
帰宅するといつものように元気な妻が俺を迎える。
「千秋さん!おかえりなさい」
「ただいま」
「今日、茶道の日だったんですけど…もうダメダメです。知ってました?畳へりを踏まないように歩かないといけなくて1畳を6歩で歩くんですよ」
「知ってるよ。着物だとそのくらいが歩きやすいからね」
「…もうパーフェクトにできる日が来るのか想像できません」
肩を落としてそういう彼女がほほえましくてつい頬が緩む。
桜子は苦手なことだって嫌なことだって合わないことだって全力でぶつかっていく女性だ。
たまに心配になることもあるが、(倒れないかなど身体的な心配だ)彼女は全く折れない。
「そうだ。結婚式のドレスなんだけど」
「どうかしました?」
「やっぱり、別なものも着てみたらどうだろう。この間迷っていた方も捨てがたい」
「え?だってもう何度も試着して決めたじゃないですか!私は何でもいいというか…もうあんな綺麗なドレス着れるだけで十分で」
皿に盛りつけた料理を、テーブルに並べ、こちらへ視線を向ける彼女に俺は首を振った。
「そうだけど、せっかくなんだからさ」
「ん、そうですかねぇ」
桜子のドレスに一番拘ったのは俺かもしれない。
彼女は悩まずにこれでいいと決めてしまうが俺が拘りたくて着せ替え人形のようにAラインのドレスや、マーメイド、プリンセスライン―…と着てもらった。どれも彼女に似合うから困ってしまう。
帰宅するといつものように元気な妻が俺を迎える。
「千秋さん!おかえりなさい」
「ただいま」
「今日、茶道の日だったんですけど…もうダメダメです。知ってました?畳へりを踏まないように歩かないといけなくて1畳を6歩で歩くんですよ」
「知ってるよ。着物だとそのくらいが歩きやすいからね」
「…もうパーフェクトにできる日が来るのか想像できません」
肩を落としてそういう彼女がほほえましくてつい頬が緩む。
桜子は苦手なことだって嫌なことだって合わないことだって全力でぶつかっていく女性だ。
たまに心配になることもあるが、(倒れないかなど身体的な心配だ)彼女は全く折れない。
「そうだ。結婚式のドレスなんだけど」
「どうかしました?」
「やっぱり、別なものも着てみたらどうだろう。この間迷っていた方も捨てがたい」
「え?だってもう何度も試着して決めたじゃないですか!私は何でもいいというか…もうあんな綺麗なドレス着れるだけで十分で」
皿に盛りつけた料理を、テーブルに並べ、こちらへ視線を向ける彼女に俺は首を振った。
「そうだけど、せっかくなんだからさ」
「ん、そうですかねぇ」
桜子のドレスに一番拘ったのは俺かもしれない。
彼女は悩まずにこれでいいと決めてしまうが俺が拘りたくて着せ替え人形のようにAラインのドレスや、マーメイド、プリンセスライン―…と着てもらった。どれも彼女に似合うから困ってしまう。