恋の駆け引きはいつだって刺激的【完結】
結局プリンセスラインのドレスに決定したが、Aラインのドレスも捨てがたい。もう一度着てみてもいいと思ったが彼女が嫌そうな顔をしたのでこれ以上は無理かもしれない。

桜子との結婚式は、契約結婚の際には何も考えていなかった。

しかし、本当の夫婦になった今、どうしても彼女と結婚式を挙げたかった。
それは、男としてのけじめの意味も自分の中であったのかもしれない。

ただ、桜子には親も兄弟も、親戚もいない。
母親が蒸発して縁を切った彼女にとって肉親がいないのに盛大な結婚式などはやりたくはないだろうと思い、俺の家族や桜子の友人など少人数で式をあげることを提案した。


「楽しみだね、結婚式」
「そうですね」

いつの間にかかけがえのない存在になっていた。
一生隣にいてほしい存在に、なっていた。


「バージンロードって、普通お父さんと歩くんですよね?大丈夫かなぁ」
「そうだけど、別に絶対というわけじゃないから心配しないで」
「それもそうですね。どうしよう転んじゃったら、」
「俺がいるから大丈夫だよ」

そういうと桜子は嬉しそうに柔らかい笑顔を浮かべ、そうだったといった。




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