恋の駆け引きはいつだって刺激的【完結】
すぐにオートロックを解除して彼を家に入れる。
彼は私服姿で、黒いコートを着ていた。今日は少し気温が下がっていて寒いから急いで夏希君に家に入ってもらった。

「どうしたの?」
「今日は休みだからさ」
「そっか!よかったね。あ、千秋さんはいないよ」
「うん、だから来たんだよ」

玄関ホールをゆっくり進みながら夏希君がそういった。
…あ、そういえば前回も。

と、ここで私は重要なことを思い出してしまった。

「あ!!」
「どうしたの」
「…ごめん、夏希君…やっぱり帰ってくれないかな」
「…なんで?」
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