恋の駆け引きはいつだって刺激的【完結】
―楽しい

そう言ってもらえると本当にうれしい。
私だって千秋さんと一緒にいる時間は楽しいし、好きだった。


「恋愛ってさ、面倒でしょ」
「…ごめんなさい、その辺はわからないのですが」
「そっか、したことないんだもんね。俺にとったら面倒だしいらないんだよ、そういう感情は」

瞳の中を覗きながらほんの少し寂しそうに言った。

「だから…どうしようかな、誤算なんだよね」
「…そうなんですか」

誤算って何が?と思いながらも早く自分の部屋で眠りたい私は、千秋さんに離してほしいという感情をこめて目線を送り続ける。
でも、千秋さんは離してくれなかった。
それどころか、

「桜子が欲しいんだ。くれないかな、桜子の初めてを」
「え、…いや、え?」
「この間いいって言ってくれたよね」

益々おかしな方向へと向かった。
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