恋の駆け引きはいつだって刺激的【完結】
そうだ、前にそんな約束をしてしまった。
夏希君との約束もそうだし、千秋さんとも…。


「全部って、つまり…セックスですよね」
「そうだよ。もちろん」

サラッとそんなことを言われても困るよ。

どうしよう、こんな感じで初体験が終わってしまうのだろうか。
でも、今後こういうことをする機会なんて永遠になさそうだ。
…今、なのかな。いや、別に一生処女でもいいじゃない!


瞳を左右に揺らしながら、何て返事をしたらいいのか考えていた。


「…あの、私、」
「うん」
「千秋さんならいいかなっていう気持ちもあるのですが」
「うん」
「好きな人とするのが一般的だとも思うので」
「うん」
「ちょっと…保留に、」

でも、千秋さんは私の言葉を聞いてにっこりと口角を上げた。サラッと千秋さんの前髪が揺れた。


「じゃあ、好きになってよ」
「…へ、」
「ね、好きになってよ」

そう言って、私の首筋に指を這わせた。
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