恋の駆け引きはいつだって刺激的【完結】
私はどういう意味なのか考えた。
でも、千秋さんは考える時間をくれない。
固まる私に彼はそっと私の唇に彼のそれを重ねた。
初キス以来のキスだった。
触れるだけのキスなのにものすごくドキドキしてしまった。

「嫌なら、言って」
「え？何をですか、」
「今から桜子のこと、もらうから」
「…」

そう言って、千秋さんの顔が急に私の首筋に埋まった。
びっくりして千秋さんの胸に手を押し当てるがびくともしない。

「ち、あき…さん、ちょっと…あの…あっ…」

彼のさらさらした髪が顔の輪郭あたりを撫でる。
くすぐったい感覚のあとすぐに襲ったのは

「やっ…」

私の知らない快感だった。

首に這った舌がゆっくりと胸元へ落ちていく。

「…ぅ、…ん、」

変な声を聞かれたくなくて手で口を押さえた。
あれ、なんで拒否反応が出ないのだろう。なんで。

千秋さんが顔を上げた。

「口、押えないで」
「で、も、」
「もっと聞かせてよ、桜子の可愛い声」
「…」

そういって、小さく笑うとパジャマのボタンが外されていく。



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