恋の駆け引きはいつだって刺激的【完結】
こんなふうに流されるようにセックスをしてもいいのだろうか。
千秋さんならいいと思える。でも、好きな人というわけではない。複雑な心情を残したまま私は唇を噛んで必死に快楽から逃れるように体を動かした。

「嫌じゃない?」

私は顔を手で隠したまま首を横に振った。
嫌とか嫌じゃないとか、そんなことは考えられないよ。

「ダメだよ、桜子」
「…」

息が乱れる私に優しく囁くように言う。

「ちゃんと見て、俺を」
「だって…っ」
「大丈夫だよ、俺に任せて」

私はゆっくり千秋さんの顔を見た。
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