ストロベリー・ゲーム
一粒足りない
部屋には私を含めて三人の高校生がいた。
机の上には瓶に入れられた二つの苺。
一人一つ、苺を食べなければならない。
それがこのゲームのルール。
簡単でしょう?
でも、食べられるのは二人だけ。残りの一人は......。
「怜美(れみ)、あたし達で食べちゃおうよ。真広(まひろ)には、悪いけどさ」
真広が席を外している間に、藍子が私に提案した。
まだゲームが始まって10分も経っていない。信じられない展開だ。こんなに早く仲間割れ、なんて。いや、でも。
藍子が真広を裏切りたくなるのも無理はない。
――――このゲームの主催者は、真広の家族なんだから。
< 1 / 232 >