ストロベリー・ゲーム

「............うん、ごめん」


真広が頭を抱えた。
そっか。まあ、もう少し経てば思い出すって、信じよう。
真広のことを責めても、なんの解決にもならないだろうし。


「いいよ、無理にとは言わないし」



私が首を横に振った、その時だった。




――――プルルルル、プルルルル。



真広が左手に握ったままだったスマートフォンから、突然鳴り響いた電子音。この音は、と思いそちらを見ると、真広が【桐江 悟志】と書かれた画面をこちらに向けた。電話の着信だ!


桐江、という苗字だから真広の身内だろう。
良かった。これで助かるかもしれない......!

「はい、もしもし」
< 10 / 232 >

この作品をシェア

pagetop