ストロベリー・ゲーム

靴は青のラインの入った白のスニーカー。スマホケースも白だった。統一感があって清楚な感じも、思い返せば完璧な気がしてくる。真広のような人、本当に初めて見た。

少し首を伸ばしてその表情を見る。やはりどこか苦しそうな顔をしていた。
悪い夢を見ているのだろうか? いつもこんな感じなら、心配になる。早く真広だけでも解放してあげたらいいのに。


真広のおじいさんは一体何を考えているのやら。
あたしと真広が悪いとでもいいたいんだろうか? もう、決まったことなのに。

ルールがあったからその通りにやったんだ。
また振り出しに戻ったなんて考えたくもない。怜美が出る方法なんて分からないよ。

もしあたしが怜美に「苺を食べなよ」と言わなかったらこんなことにはならなかった。でもそれだけだ。そこまで大事ではない。事件というほどでもない。

ちょっとした罪悪感はある。
だから謝ったら許してくれたりしないんだろうか?
< 114 / 232 >

この作品をシェア

pagetop