ストロベリー・ゲーム
〈どうしても出して欲しいなら二人は助けてやる。机の上に苺があるだろう? それを食べたらいい。ただし苺を食べられるのは一人一つまで。切っても千切っても駄目だ〉
部屋の隅に置かれた丸いテーブルの上には、瓶が一つと小型のナイフが一本。
瓶の中には小ぶりの苺が二つ入っていた。
さっきから甘い匂いがすると思っていたら、これが正体だったのか。遠くから見ただけだからレプリカかなにかだと思っていた。
「二つしか入ってないけど」
真広が画面に向かって話しかける。
〈一人は食べられんよ。食べられなかった奴はそのまま......部屋で一生幽閉だ〉
「......なに言ってるんだよ。頭、おかしいだろ」
私も藍子も何も言えなかった。