ストロベリー・ゲーム
「そんな責めないでよ、藍子ちゃん」
「いや、別に責めてないけど」
怜美、どうしてそんなに真広のこと庇うの? 優しくしすぎだよ。
本当のことを話せなくて苦しんでいるのは真広本人なんだよ?
あたしはできるだけ優しく、ゆっくりとはっきりと真広に話しかけた。
「本当のこと言ってほしい。同じことしてるみたいだよ」
「俺は、言ってるつもり」
「一人暮らしとか嘘だったじゃん?」
「前まではしてたって話だよ」
真広が顔に左手を当てた。手が震えている。
あたしと真広の視線が交わる。反論したくて怒りを感じながらも、なにかに怯えている、矛盾した表情。真広の呼吸が浅くなっている。......弱いよ、真広。
そこで、あたし達の会話を切ったのは怜美の声だった。
「待って......?」
何かを思い出したようだ。