ストロベリー・ゲーム
覚えていたい
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「出してよ! 出して!」
いつも悪いことをすると、離れの小屋に閉じ込められた。
駄々をこねたり嘘をついて逃れようとすると、祖父に引きずられて、ここに連れてこられる。鍵を閉められたらもう出られない。
ドンドンと木製のドアを叩いて、壊れるくらいドアノブを何度も捻って、出ようとしても無理で。
もとは畑仕事をする祖父母が一休みする場所が欲しいと思い建てた小屋だった。テーブル、ベッド、大きな木の棚。トイレや風呂もついていて、そこで暮らしてもまず死ぬことはないだろう。だけど閉じ込められるのは苦痛だった。
親に言っても分かってくれなかった。
母は少し心配していたが、「俺もよくやられたよ」なんて父は笑うんだ。懐かしそうにするなよ、今の俺がそれをどれだけ嫌だと思って。昔のことだから覚えてないのかよ。