ストロベリー・ゲーム
「俺もう悪いことしないから! ちゃんと反省してるから」
いつも涙が枯れるまで泣き叫んで、夜になってやっと、可哀そうに思った祖母がこっそり鍵を開けて俺を出してくれるんだ。
「おじいちゃんも素直じゃないのよ」と言いながら、まだ幼い俺をおんぶして家まで運んでくれる。俺は祖父が何を考えているのか全く分からなかったし、祖母がいいようにこき使われているんじゃないかと思ったから、祖父のことが嫌いだった。
靴を脱いで上がり、リビングに向かう。祖父はこういう時、決まってリビングにいて、座布団の上で胡坐をかいてテレビを見ていた。そして帰ってきた俺を見て、黙っているか、
「真広お、本当に反省してるのか?」
と、しかめっ面で聞いてくる。