ストロベリー・ゲーム
夏休みになれば家にいなければいけないから、必然的に祖父母の家にお世話になる機会も増えた。実家にずっといるのは親の負担になるから。夏休みのほとんどは祖父母の家で過ごした。
なかなかまとまった休暇もとれない両親。「ごめんね」と言って車で運転して山の途中にある家まで送ってもらう。毎年同じことをしていた。実家から祖父母の家までの道ももう覚え始めていた小学生の俺。
学校に行かなくてよくなり、家の中で畳の上に寝っ転がってゲームをしている俺とは対照的に、畑に入ってどろどろに汚れて汗だくになっている祖父。よくこんな炎天下で動けるなあとひたすらに思った。
楽をすること自体が嫌になるほどだ。何もしない自分が怠惰の化け物のように感じる。