ストロベリー・ゲーム

「食べんなよ」


真広が藍子に向かって焦ったように叫んだ。
部屋の空気が冷たくなる。藍子が怪訝そうな顔をして振り向き、嫌な沈黙が流れた。


「苺って、どれだけ日持ちするの?」


藍子の問いに真広が答える。


「常温なら2、3日が限界だと思う。すぐに腐る」

「じゃあタイムリミットは苺が腐るまでってことか」


藍子が苺の入った瓶の前で立ち止まった。
私と真広はドキドキしながら藍子を見ていた。今度は私が尋ねた。


「三人とも食べなかったらどうなるんだろう?」

「三人とも幽閉とか? ......絶対嫌だよ、あたし」


藍子が苦笑する。......助かりはしないのか。
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