ストロベリー・ゲーム

床の上に置いてあるスマホが鳴った。
電話だった。俺は一度顔を手で覆って、息を落ち着かせる。怜美から離れる。「私が出ようか」と提案してくれた怜美に「俺が出るよ」と答えた。



スマホを手に取り、その画面を見る。桐江津由(つゆ)――祖母の名前だ。


雨はいつの間にか止んでいて、すりガラスの向こうには青空が覗いていた。


「もしもし」


画面の向こうにいるであろう祖母に話しかけた。
その瞬間何故か、ふと祖父の顔が浮かぶ。


覚えていたい。
この先ずっと、祖父のことは忘れない。
この先もずっと大好きな人だ。
この先もずっと一緒にいるんだ。


声が聴きたい。



〈おじいちゃん、もう、死んじゃうかもしれないの。今どこにいるの? 真広、真広......〉

















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