ストロベリー・ゲーム
藍子が次に建物の外に出た。
ドアの正面に来ると、建物の外の光に当てられて、眩しくて目を細める。ようやっと外に出られるのか、と期待に胸を膨らませる、刹那、ぼお、と強い風が吹き荒れて、あろうことか、そのまま勢いよく、ドアが向こうから閉じてしまった。
真広と藍子の背中、そしてその奥に立っている白髪の老人の姿を視界に捉えたら最後。
また変わらない密室が私を閉じ込めた。
「え?」
わけがわからず戸惑いながら、ドアノブを捻ってガチャガチャと揺らす。ドアに軽く体当たりしてもびくともしない。開かない。私だけ出られないの? なんで!?
「あ......」
思い出した。突然のことで驚いて忘れてた。
そうか、ゲームで、幽閉って、こういうことか......私だけもう出られないんだ!