ストロベリー・ゲーム

ドクン、ドクン。


体を嫌な汗が流れる。強い風の音がした。次に誰かの怒鳴り声と、泣き声が聞こえてくる。外で何が起こっているんだろう。あの人は誰だったの? 老人、男の人......だった。真広は......大丈夫なの?

不安になって瞬きを繰り返し、その場に立ち尽くす。
そしたらドアの向こうから、悲鳴のような高い声で誰かが私の名前を呼んだ。


「――――れみ!!!!」



幼い声だった。子供のようだ。

誰の声?

ドアに耳を近づければ、それは風の音に混じって聞こえてくる。


「れみ、聞いて......!! ごめん、あたしが悪かったの! あたしじゃなかった! あたしは、出ちゃいけなかったの」
< 156 / 232 >

この作品をシェア

pagetop