ストロベリー・ゲーム
ドクン、ドクン。
体を嫌な汗が流れる。強い風の音がした。次に誰かの怒鳴り声と、泣き声が聞こえてくる。外で何が起こっているんだろう。あの人は誰だったの? 老人、男の人......だった。真広は......大丈夫なの?
不安になって瞬きを繰り返し、その場に立ち尽くす。
そしたらドアの向こうから、悲鳴のような高い声で誰かが私の名前を呼んだ。
「――――れみ!!!!」
幼い声だった。子供のようだ。
誰の声?
ドアに耳を近づければ、それは風の音に混じって聞こえてくる。
「れみ、聞いて......!! ごめん、あたしが悪かったの! あたしじゃなかった! あたしは、出ちゃいけなかったの」