ストロベリー・ゲーム
「真広はな、俺の自慢の孫なんだ。この世界で一番に、大好きな子だったんだ」
おじいさんが、ドアの外の青空を見上げながらあまりにも幸せそうに笑顔で話すから、私まで幸せな気持ちになった。私も笑った。二人で笑った。
目の縁から温かい雫が、部屋の中に吹き込んだ朝風に触れて床に落ちる。ドアの向こうに一歩踏み出す。
幸せで涙が溢れることなんてないと思っていた。誰かを愛し愛されることがこんなにも尊いんだね。