ストロベリー・ゲーム
俺が高校二年生の時。
当時のことはまだ覚えている。俺はやんちゃをしていた。頭が悪い高校にいて、髪も染めて友達と、夜中によくぶらぶら出歩いていた。
その日は学校帰りの夕方に、友達の一人が初めて煙草を吸うと言ったから、どんなものか見てやろうと、複数人で公園で集まっていた。
そこで、ある男に会った。いや、会った、という聞こえのいいものではない。
俺の住む町の警察官だった。
「君ら、未成年者の喫煙は禁止だぞ」
逃げる準備もしていなかったから、制服姿で煙草を吸っている友達が見つかった瞬間、俺達は固まってしまった。やってしまった、という感情と同時に、最低ながら、俺はまだ吸っていない、と責任逃れしようとする言い訳を思いついた。