ストロベリー・ゲーム

先ほど祖父に畑の様子を見てこいと言われ、来てみれば、畑に入り込んで苺を貪っている少女が目に映り、叫んだ。「何してんの」って、そしたら道にいたもう一人の女の子が走って逃げた。

その子も追いかけたかったけど、犯人を捕まえることを優先しなければと思った。我ながらしっかりしていると思う。まだ小学校に入って一年弱。ついこの間二年生になったばかりなのに。


「お腹空いてたの?」

「う、うん」


嗚咽しながら頷いた。正直だな。
潤んだ一重の瞳がこちらを見つめてくる。なんだか恥ずかしくなって目を逸らした。

土まみれの彼女の運動靴を見て、困ってしまう。
もう白状してるんだから、この子をどうするのかは自分次第なのか。
< 47 / 232 >

この作品をシェア

pagetop