ストロベリー・ゲーム
「あの、大丈夫ですか?」
私は少し混乱しながら、彼に尋ねた。
「はい。大丈夫、ですけど」
とりあえず、倒れてはいたけれど、二人とも調子が悪いわけではなさそう。自分もだ。寝ていただけなのか!
「良かった」と言うと、今度は逆に彼が尋ねてきた。
「あの、ここ......? どういう状況ですか? 今」
「それが分からなくて。私も藍子ちゃんも、ついさっき起きたばかりで」
「アイコ? ああ、そっちの人か」
藍子が「どうも」と私を挟んで反対側から軽く会釈した。
この反応。彼は藍子とは面識が無さそう。